宅扱

1974.1. 滝川駅 Photo by: J. Satomi

福実車輌さんよりご教示頂きました。

コンテナ輸送が登場する以前の鉄道貨物輸送では「車扱」といって、荷主が

貨車を自分の貨物専用に使用する形態が一般的でしたが、それに対して

少量の貨物、すなわち貨車を専有する必要のないものについては「小口扱

という駅間輸送も行われていました。この「小口扱」の派生形態として、特に

急送を要しかつ鉄道側で集荷・配達まで行ってくれるありがたい制度として

1935年(昭和10年)に「宅扱」が開始されました。平たくいえば今の「宅配便」

と変わりありません。ただ「宅扱」における荷物の大きさは、長さ4.5m以下、

重量200kg以下、容積1.5m3以下ということですので、「小口」とはいっても

相当大きな荷物も取り扱ってくれたわけですね。

これに先立って1930年(昭和5年)より専用貨車であるワキ1形の製造が開始

され、やがて「宅扱」専用列車も運転されるようになりました。専用列車の

ワキ1形にはオレンジ色の3本のラインが引かれ、白文字で「宅扱」と大書

され、地味な役回りの貨物列車の中ではひときわ目立つ存在でした。

ワキ1形は全長13,150mm、自重19.8tで荷重は25t、荷扱手が乗り込むため

車体には小さな窓が設けられています。

上の写真のワキ310は、戦後の1948年(昭和23年)から製造が開始された

冷蔵車レキ1形から改造された300番台車です。(里見)