
長門機関区は山陰本線の終点である下関(正確には1駅手前の幡生)より77.7km手前に位置する山陰本線の車輌基地としては最も西に位置する中規模の機関区で、ここには山陰本線と美祢線の客貨列車を担当する蒸気機関車と気動車が配置されていた。オールドファンには正明市機関庫と呼んだ方が通りがいいかもしれない。正明市は(しょうみょういち)と読み、昔この地域が市場町として栄えた時代の市場の名前である。それがそのまま機関庫の名前になっていたが、1962年(昭和37年)頃に長門機関区に改名された。長門市は北長門国定公園の仙崎や青海島を擁する観光都市であり、響灘の海岸線を走る車窓風景も素晴らしかったが、山口県の観光地では萩・津和野や秋吉台が特に有名なこともあって知名度はいまひとつで、30年前のSLブームの時代にも訪れるファンもやや少なめだったように思う。SLファンに注目されなかった理由のひとつに、早くから配置機関車が平凡なD51形とC58形だけでやや面白みに欠けたせいもあったのだろう。しかし長門機関区や長門市駅周辺には、D51形を始め多彩な気動車群や旧型客車、貨車等がたむろしており、機関区の施設も蒸気機関車時代の典型的な中堅機関区としての特徴をよく現していた。このコーナーでは長門機関区の鉄道施設やD51形、気動車、旧型客車、貨車等を2回に分けてご紹介していきたいと思う。 |