キハ58系

1963.6. 松本駅 Photo by: T. Satomi

明渡康浩さん推薦

 

 レトロ日本の名機・名車百撰の気動車部門が少ないのですが、キハ

 58系一族はいかがでしょうか。

 キハ58系は基本のキハ58系(キハ58、キハ28、キロ28、キロ58、

 キロハ28)と北海道用キハ56系(キハ56、キハ27、キロ26)、信州

 のアプト線通過用のキハ57系の3系列を便宜上「キハ58系一族」と

 して推薦いたします。(キユ25やキロ28改造のキユニ28なんかも

 入るのかもしれませんが)

 キハ58系は昭和30年代後半から40年代にかけて非電化区間の

 優等列車用としてだけでなく、電化区間への直通列車としても活躍し、

 その姿を全国で見ることができた車両です。

 キハ58系一族が登場した時は、道路事情が今より悪かった時代だっ

 たし、マイカーも今ほど普及していなかったので、旅行するといえば

 列車の時代。文字通り縦横無尽の活躍でした。

 「急行」というと、電車区間にお住まいの方なら153系や165系、

 475系等を思い浮かべるのでしょうが、私はこのキハ58系が真っ先

 にでてきます。

 また、キハ58系一族は製造された年が長きにわたっているので、

 バラエティに富んでいるのも特徴です。全てを書き記せませんが、これ

 はキハ58系一族が完成された優秀な車両だったからではないでしょ

 うか。

 そんな車両も非電化区間の電化や使用する列車そのものの減少、

 車両自体の老朽化によってその姿は年々少なくなってきています。

 それでも、修学旅行用等波動輸送やセミクロス化されてローカル列車

 として使用されたり、 一部は廃車後にサハリンやタイに輸出されて

 そこでも活躍しています。

  

キハ58系気動車の紹介については明瀬康浩さんにすべてを端的にまとめて

いただきましたので加筆の必要はないと思います。私の個人的な想い出で

いえば恐らく私の青年時代の「旅」において最もお世話になったのがこの

キハ58系でありましょう。当時の鉄道写真ファン必携の「ワイド周遊券」は

ご周知の通り急行列車の自由席まで有効でしたので、撮影旅行といえば

もっぱらキハ28・58形のDMH17形ディーゼルエンジン音が子守歌でした。

若者の旅行に「特急」を使うなど許されない時代です。(しかし遂にキロ28・

58に一度も乗る機会がなかったのは悔恨の至りでした)

写真はキハ58系一族の中で比較的珍しいものを選びました。

上のキハ57形(キハ57 29)は1961年(昭和36年)に信越本線のアプト区間

通過用に設計されたもので、台車が空気バネ付のDT31型を装着しています。

下のキロ58形(キロ58 2)は編成出力が不足する中央東線用として1等車

にもエンジンを2基搭載した車輌で、当然床下に水タンクを設置するスペース

がないため屋根上に載せています。キロ58形は1963年(昭和38年)に帝国車輌

で8輌が製造されただけの希少車でした。(里見)

1963.6. 松本駅 Photo by: T. Satomi