1963.5. 東塩尻駅 Photo by: T. Satomi

長野駅を6:00ちょうどに出発した上り428列車は、塩尻から中央線に入り

一路新宿をめざす。10時間14分の旅である。

中央線はご周知の通り日本の鉄道黎明期には東京−大阪間を結ぶ主要

鉄道路線の候補に挙げられていた時期もあったが、その地位を東海道本線

に譲った後は著しく近代化が遅れてしまった。トンネルと急勾配が連続する

浅川(高尾)−甲府間は1931年(昭和6年)に電化されたものの、甲府以西に

ついては具体的な電化計画もないまま終戦を迎えることになった。戦前に

おいては特急はもとより急行列車も運行されず、わずかに快速列車が1往

復設定されるのみだった。

機関車にしても勾配区間が多い関係で、華麗な旅客用パシフィック機の姿

はなく、全ての旅客列車が貨物用機であるD51形に牽引されていたので

ある。