


近江鉄道の宣伝電車。「湖北の絶景・賤ヶ岳」の語呂は良いがそれぞれの看板が傾いていて、昭和30年代の木造ADトレインは実におおらかだ。が・・・今回はそういうことを申し上げたいのではなく、この木造電車の形式と車番にやや不審な点がある。車番はクハ1214なのだが形式はクハ1213と読み取れる。このグループは1950年に(昭和25年)に西武鉄道から電動車のモハ131・132・201・202とペアを組むべく4輌購入した1922年(大正11年)梅鉢鉄工所製の木造制御車で、クハ1201・1202・1203・1204と称した。クハ1201と1202は早くも1958年(昭和33年)に廃車、クハ1203と1204は1957年(昭和32年)にシングル屋根改造を行った上でクハ1214・1215に改番された。つまり上のクハ1214が形式母体とするらしいクハ1213という電車が存在しないのである。いや、正確にいうと1963年(昭和38年)にいわゆる「近江型」の鋼体車体を持つクハ1213が誕生するのだが、その改造種車は八日市鉄道の工藤式蒸気動車のキハ2だったようで(後に客車化されホハフ3→ハニ1)、いずれにせよ元西武のグループとは縁もゆかりもない。クハ1214の形式母体とするには時系列的にも矛盾が生じる。どうでもいいことと言ってしまえばそれまでなのだが、考え始めると気になって眠れなくなるので、更なる調査は別の機会に行うことと致しましょう。 |