

旧形車輌の足回りに新製した車体を載せる更新は、仙石線のモハ72系600番台車や東武鉄道の3000・5000系など多くの例があって特に珍しい話ではない。ただ1976年(昭和51年)に身延線でデビューしたクハ66・モハ62形の場合は、台枠の側梁幅が2,800mmしかないモハ72系電車の上に車体幅が2,900mmある115系タイプの幅広車体を無理矢理載せたため、側面の裾部分が逆方向に反ったような形に処理されているのが特徴。未だ旧形国電が大勢を占めていた地方電化路線において、早急にサービス向上をはかる有効な手段として実施された更新工事だったが、更新費用が結構かかる割には、メンテナンス費用等は下げられないということで、4輌固定ユニット3編成が登場しただけで、後が続かなかった。後世から見れば、まあやっぱり失敗作ということになろう。側面裾がへこんでいるのにもかかわらず正面の裾は115系と同じで膨らんでいる。物理的に矛盾する2つの形状を溶接してしまう、これは誠に魔術的な技法ではある。 |