1964.3. 柘植駅 Photo by: Taro Satomi

1972.7. 天王寺駅 Photo by: Junichi Satomi

1973.8. 後藤寺駅 Photo by: Junichi Satomi

企業でもお店でも人物でも、成功したかどうかというのは色々な切り口や見方が

あって、一言で言い表すのは難しいのだが、「後継者」がいたかどうかというの

はひとつの物差しとなり得る。キハ35系の場合は、3扉通勤用気動車という

同じコンセプトを持った後継車が現れなかったという点で、成功車とはいえなか

ったかもしれない。

元々設計には無理があった。パワートレインは定格主力180PSのDMH17型

エンジンを採用し、かつ通勤型であるので車体中央にも乗降扉を設置するのが

前提条件となるが、地方路線での使用を想定してステップ付とすると床下の

有効面積が狭まるため、2基エンジン搭載車は断念せざるを得ない。また側梁

(サイドフレーム)が中央扉ステップで分断されるため、そのための補強が必要

となり、それは車体重量増につながる。一方で通勤用なのだから乗客定員が

多く(約130名)荷重を大きくとりたい。そうするとパワー・ウエイト・レシオ

(馬力当重量比)はどんどん大きくなるので、思い切った軽量化が必要となり、

車体強度に問題が生じる。ということで、キハ35系の場合はパワートレインと

乗降扉数が決定されてしまうことで、設計が閉塞的な、負の堂々巡りを始めるの

であった。そもそも「通勤用気動車」とは何だったのか。通勤用車輌が必要に

なるほど輸送需要が大きいなら、早く電化を推進する方が先だろう。電化やホー

ムのかさ上げ工事を差し置いて、取り急ぎ車輌設計にそのツケを回したところに

キハ35系の悲劇があった。

通勤用気動車の投入が急務とされていたのは、首都圏の千葉地区と近畿の

関西線湊町口だったが、それらの地区は投入から約10年後の昭和40年代

後半に相次いで電化されていった。その時点でキハ35系は実質的に「通勤用

気動車」としての使命を終え、再就職先の地方路線ではキハ17系・20系・

45系・55系等と混結運転が多く見られるようになっていく。偶然かもしれない

が、私の印象では、とりわけキハ35系はキハ17系とのコンビが多かったような

気がする。車体断面が狭くて居住性が悪いキハ17系と、オールロングシートで

車窓が楽しめないキハ35系と、どちらに乗ろうかと迷うことしきり。

 


以前の大画像

●NO.1:DD20 2号機 ●NO.2:D51 265号機 ●NO.3:紀州鉄道キハ40801 

●NO.4:C55 19号機 ●NO.5:新京阪デイ100 ●NO.6:ED75 501号機 

●NO.7:29608号機 ●NO.8:スハ32 286 ●NO.9:D52 355号機 

●NO.10:C58 316号機 ●NO.11:食堂車ナシ20 ●NO.12:京浜急行クハ156 

●NO.13:D51 362号機 ●NO.14:ED30 1号機 ●NO.15:北見機関区転車台 

●NO.16:弘南鉄道モハ2026 ●NO.17:東武鉄道モハ3210 ●NO.18:クモハ73 024 

●NO.19:D51 727号機 ●NO.20:スハネ30 50 ●NO.21:山陽電鉄200形 

●NO.22:京阪京津線20形 ●NO.23:C11 41号機 ●NO.24:西武鉄道クハ1311 

●NO.25:C58 33号機 ●NO.26:南海電鉄モハ2001系 ●NO.27:同和小坂鉄道DC1形 

●NO.28:C55 46号機 ●NO.29:C55 52号機 ●NO.30:京王帝都デハ1402 

●NO.31:近鉄モト2721+2722 ●NO.32:交直両用電車クハ401 

●NO.33:名古屋鉄道ク2132 ●NO.34:京阪電鉄1820 ●NO.35:横浜市電1001 

●NO.36:大阪地下鉄6000形 ●NO.37:ワフ21000形 ●NO.38:銀座4丁目交差点 

●NO.39:阪急電鉄672 ●NO.40:西鉄福岡市内線102 ●NO.41:名鉄モ301 

●NO.42:D61 4号機 ●NO.43:マハ29 73 ●NO.44:モハ70 121 

●NO.45:東武鉄道クハ360 ●NO.46:クモル23 050 ●NO.47:名鉄モ524 

●NO.48:モハ31 003 ●NO.49:クモハ12 001 ●NO.50:大井川鉄道クハ502

●NO.51:名鉄デニ2001 ●NO.52:阪急デト4001 ●NO.53:遠州鉄道モハ3 

●NO.54:南海電鉄デワ2001 ●NO.55:39635号機 ●NO.56:ED17 1号機 

●NO.57:京王帝都サハ2531 ●NO.58:クハ25 107 ●NO.59:トラ90000形 

●NO.60:クエ9421 ●NO.61:南海20001系 ●NO.62:C51 176号機 

●NO.63:京浜急行デハ230形 ●NO.64:クハ47とサハ48 ●NO.65:京阪電鉄1104

●NO.66:近鉄ク6509 ●NO.67:阪急1500 ●NO.68:D51とDF50 

●NO.69:ED75 791号機 ●NO.70:西武451系 ●NO.71:ホキ4916 

●NO.72:C57 87号機 ●NO.73:上田丸子電鉄モハ3122・サハ41 

●NO.74:オハ35 2425と2692 ●NO.75:キハ10 68とキハ17 143 

●NO.76:東武鉄道モハ1400 ●NO.77:クモハ32 001 ●NO.78:スハ42とオハ36 

●NO.79:ホキ3100 ●NO.80:クモニ13 ●NO.81:クハ47112とクモハ41850 

●NO.82:阪急2800系 ●NO.83:DD51 19・571・761号機 

●NO.84:秩父鉄道デハ300・デハ500 ●NO.85:キハ35系