1963.2. 片町駅 Photo by: T. Satomi

 

−京阪電鉄発行「京阪ニュース」1960年12月号より抜粋−

 先日、京阪が誇るスーパーカー2000形に乗っていると高校生が、

 「この電車、お客さんをぎゅうぎゅう詰め込むから真ん中ふくれてしまい

 よった」と云っていました。

 勿論初めから車体をふくらませて造ったのですが、竹が強いのと同じで、

 従来より薄い鋼板で強度が保てる為、一層軽い車が造れるようになったの

 です。従って振動は減り、加速減速も高くなるという、いわば現代工業技術

 の進歩が、あのふくらみに象徴されているのでしょう。

 この電車が出来る迄は、特急の1800形にテレビを積込んで、重役さんや

 車両部さんは一生懸命乗客の御機嫌をとっていました。近鉄は二階電車を

 走らせる、小田急はSE車なる、すさまじい流線形を真赤に塗って乗客の

 度肝を抜いたものです。

 電鉄会社も大変なもの。更にその前は、戦後の車両不足を補うのに四苦

 八苦、何とかして手に入れたのが、各社共通形の私鉄標準車という愛想の

 ない電車。京阪では1300、1600形等。さすがに運輸省から63形の配給

 だけは受けずに、私達私鉄マニアをほっとさせてくれました。

 こうしてみると電車も、その生れた時代をよく物語っており、そこに又各社

 各様の趣向があってマニア達の話題はつきません。

 先に記しました特急新車群から私は京阪の1800形に深い親しみを持って

 おります。

 国鉄モードを真似て正面二枚窓の流線形(湘南形)に浮身をやつしたり、

 扉を両端に寄せてしまったり(これも湘南形や客車の真似で東京私鉄の

 やりたがる手)せず、どちらかといえば地味な形で、それでいて、私鉄の

 トップを切って空気バネ台車を使い乗り心地を配慮する点など。又どこやら

 さんの様に特急料金をとらずに庶民を乗せてくれる1800形。

 80糎巾の窓が扉間に10枚並んでいる為、国電窓のようないらだたしさも

 なく、幕板部分がすっきりして、屋根が浅い為、軽快でスピード感があり

 ます。車内は申す迄もなくロマンス・シート、それが又国鉄一等車のように

 貧乏人を見くびった感じもないのです。こんな素晴らしい電車を京阪は今後

 も造ってくれる事でしょう。マニア達は楽しみにしています。 

 里見太郎(朝日放送音楽担当プロデューサー)

 


以前の大画像

●NO.1:DD20 2号機 ●NO.2:D51 265号機 ●NO.3:紀州鉄道キハ40801 

●NO.4:C55 19号機 ●NO.5:新京阪デイ100 ●NO.6:ED75 501号機 

●NO.7:29608号機 ●NO.8:スハ32 286 ●NO.9:D52 355号機 

●NO.10:C58 316号機 ●NO.11:食堂車ナシ20 ●NO.12:京浜急行クハ156 

●NO.13:D51 362号機 ●NO.14:ED30 1号機 ●NO.15:北見機関区転車台 

●NO.16:弘南鉄道モハ2026 ●NO.17:東武鉄道モハ3210 ●NO.18:クモハ73 024 

●NO.19:D51 727号機 ●NO.20:スハネ30 50 ●NO.21:山陽電鉄200形 

●NO.22:京阪京津線20形 ●NO.23:C11 41号機 ●NO.24:西武鉄道クハ1311 

●NO.25:C58 33号機 ●NO.26:南海電鉄モハ2001系 ●NO.27:同和小坂鉄道DC1形

●NO.28:C55 46号機 ●NO.29:C55 52号機 ●NO.30:京王帝都デハ1402

●NO.31:近鉄モト2721+2722 ●NO.32:交直両用電車クハ401 

●NO.33:名古屋鉄道ク2132