
1961.5. 名張車庫 Photo by: T. Satomi
鉄道模型の世界には実車の輌数が非常に少ないにもかかわらず製品化され
やすい車輌というものがある。
古くは1号機関車150形や弁慶号7100形、最近では1編成限りの各種
イベント列車など。お召し列車もその部類にはいるだろう。
これらの車輌は一般的にその姿を見られるチャンスはまずないが、博物館で
見たり書籍・雑誌などで紹介される機会が非常に多いので、人々の脳裏に
焼き付いているのである。
各種事業用車輌もまた実際の在籍輌数の割には模型化されることが多い
車輌だといえる。事業用車輌の場合は上記の理由よりもその車輌が持つ
形態的な面白さに惹かれるのであろう。「花魁(オイラン)」と呼ばれた軌道
試験車や大きなクレーンを載せた操重車、ロータリー車を王者とする除雪
車輌群、自動車のトラックのような配給電車、等々。
ただし事業用車の場合の関心は専ら国鉄・JR車輌に注がれ、私鉄車輌に
まで目が向けられることは稀である。これは惜しい、個性溢れる事業用車は
私鉄にこそたくさん存在するのだ。
上の写真は近鉄大阪線用のモト2720形と称する無蓋貨物電車である。
近鉄の貨物電車には戦前に参宮急行が造ったモト2700形という名車も
あったが、これはそれを更に大型化して2輌固定編成としたもので、1960年
(昭和35年)に近畿車輛で1編成2輌(モト2721・2722)だけ製造された。
全長20.8m、自重39.5tで強力な150kw電動機を4個装備し、20tの資材
を積載できる。新製車といっても足廻りや電装品の大部分は旧型車から流用
しており、台車も古めかしい日本車輌製D-22型をはいているが、アルミ
サッシ窓の入った全金属製の運転台に近代化の息吹きを聞くことができる。
近鉄の貨物電車にはこれも日本最大級の17m級有蓋貨物電車モワ2800形
というのもあって、とにかく長いのがお好きだったようである。
以前の大画像
