
1974.3. 釧路客貨車区 Photo by: J. Satomi
1955年(昭和30年)にいわゆる軽量客車がデビューし、ナハネ10やオロネ10
などの新型寝台客車が次々に登場するのに伴って、戦前製の寝台客車は
急速に姿を消していった。普通座席車については戦前製のスハ32やオハ35
が1970年代後半、すなわち旧型客車終焉の頃まで元気に活躍していたのと
好対照だが、これは寝台車の平均乗車時間と利用料金を考えれば、乗客
サービスの優先性という観点から当然のことであろう。
戦前製の旧型寝台客車としては最後の形式となったスハネ30形は、1931年
(昭和6年)に3等寝台車として登場し、太平洋戦争中の寝台車列車廃止政策に
よって3等座席車に改造されたが、1959年(昭和34年)から再び3等寝台車に
戻された。この際に乗降扉は片側1個所になり、屋根上には細長い扇風機の
カバーが取り付けられた。
上は釧路客車区にいたスハネ30 50で、小樽−釧路間を走っていた423・
424列車という普通列車に1輌だけ連結されていた。
スハネ30には冷房装置もなく、ベッド寸法の小さい3台寝台で今のレベルから
見ると格段に居住性は悪かったが、ニスが塗られた木製の内装は妙に落ち着き
があり、寝台車にふさわしい雰囲気を漂わせていると感じた。
最近の新型客車の居住性と戦前製の旧型客車の落ち着いた雰囲気とを両立
出来ないかと願うのは無理な話なのだろうか。
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