
1963.9. 福知山機関区 Photo by: T. Satomi
蒸気機関車は手の掛かる息子である。
蒸気機関車が滅び去った原因として、煙の問題であるとか、エネルギー転換
効率であるとか、そういった問題点がすぐに思い浮かんでくるが、実は最大の
欠点は手が掛かりすぎることである。
蒸気機関車が機関区に帰ると、多数の乗務員や整備員が総がかりで不具合
個所を調べたり、潤滑油を差したり、灰を掻き出したり大変な作業量となる。
福知山機関区に憩うD51 727号機の情景を見れば、まるで従者にお世話を
させる王様のごとくである。
相対的に車輌製造コストが高く、人件費が安かった時代は王様として君臨
していられたが、次第に人件費が高くなってくるとそうはいかなくなってくる。
手の掛かる息子は見捨てられる運命にあった。
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