

1977.8. 平賀駅 Photo by: J. Satomi
青森県の弘南鉄道は、秩父鉄道、小田急電鉄、上田交通、西武鉄道始め様々
な鉄道会社から譲渡された電車が走る路線として電車ファンを痺れさせた。
弘南鉄道の旧型電車については話題が尽きないが、その中でも特に愁眉
だったのが、伊那電鉄、富士身延鉄道、鶴見臨港鉄道、阪和電鉄からの
元買収国電がかなり後年まで走り続けていたことである。
上の写真は元阪和電鉄買収車のモハ2026で、前身は同電鉄車輌の中でも
最も正当派車輌だったクロスシート車モヨ100形の106番である。
モヨ106は1930年(昭和5年)に川崎車輌で製造され、天王寺−和歌山間を
わずか45分で結ぶノンストップ超特急としてその名を馳せたが、1940年
(昭和15年)に南海鉄道、更に1944年(昭和19年)に国鉄に買収され、モハ2204
を経て1959年(昭和34年)の称号改正で国電クモハ20 054となる。
そして1966年(昭和41年)に廃車、皮肉なことに旧阪和の買収車は優秀過ぎて、
いや、そのために重量が重過ぎてどこの地方鉄道からも引き取り手がなく、
あわや消滅かと思われたが、岩手県の松尾電鉄がその勾配路線用には力の
強い電車が必要ということで、同僚のクモハ20 052と共に同鉄道へ譲渡
された。
しかし1971年(昭和46年)に松尾鉄道は旅客営業を廃止、今度こそ消滅かと
思われたが奇跡的に弘南鉄道に拾われて命拾いしたのである。
思えば弘南鉄道モハ2026は、誕生以来5つの鉄道会社を転々とした渡り者
であった。
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