

1963.5. 米原駅 Photo by: T. Satomi
東海道本線と北陸本線の分岐点である米原には、昔から多くの珍客が
訪れた。北陸本線交直流区間接続用としてマンモスタンク機関車のE10形、
2輌ワンセットの電気式ディーゼル機関車DD50形、入換用としてはデフ
無しのC58形というのもあった。
そして1962年(昭和37年)にもうひとりの珍客が米原にやって来た。
交直両用電気機関車のED30形である。
同機は多くの特徴を備えた、というか特徴だらけの機関車であった。
米原−田村間の1駅区間のみの折返し運転専用のため中央運転台方式が
採用され、小さなキャブに屋上機器を搭載するための極端に長いひさし。
主電動機、電動発電機、送風機等心臓部分は、流線型電機のEF55 3号
機のものを流用、下枠交差式のパンタグラフも当時は珍しかった。
一見、左右対称形に見えるが、よく見ると左右でルーバーの形状が異なる。
これだけ派手な外見をした機関車だったが、仕事自体は交直流区間接続
という地味な役廻りで、色々な試験にも供されたが、結論としてはこの区間
の接続仕業には、米原ヤード入換用のDE10を使えば事足りるということに
なり、1976年(昭和51年)に14年間の生涯を閉じた。思えばあっけない最期
ではあった。
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