
太平洋戦争の末期になると、物資不足がいよいよ深刻になり、鉄道車輌の製造も思うに任せぬようになってきたため、鉄道省では1943年(昭和18年)1月に鉄道大臣通達による戦時規格委員会を設置し、あらゆる規格仕様を総点検の上、8月に「車両ノ戦時設計に就イテ」という戦時規格を制定した。これがいわゆる「戦時設計」で、当時、戦略物資を輸送するための主力機関車として増産に次ぐ増産に追われていたD51形蒸気機関車についても適用され、いわゆる戦時型D51が誕生する。戦時設計の基本方針は、(1)構造設備ノ簡素化 (2)使用応力ノ引上(3)耐久命数ノ戦時限度化 (4)工作方法ノ簡素化並ニ制度及ビ加工程度ノ重点使用 (5)取扱困難ナル材料ノ徹底的使用削減 (6)低規格材料ノ可及的採用 (7)各種材料の彼此融通化 の7項目であったが、この中でも最も重点が置かれたが「耐久命数ノ戦時限度化」、すなわち戦争に勝つまで数年もてばいい、という考え方であった。このコーナーではD51形蒸気機関車に対して適用された戦時設計の内容についてご説明しながら、北海道に渡り、いわゆる北海道装備を施された戦時型の1072号機、1086号機、1118号機、1120号機、1160号機及び準戦時型である852号機の画像を細部写真も含めてご紹介していきたい。 |